
ほんとうはすべて知っていた。
心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。
やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。
穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。
「今、最も読まれるべき漫画はこれだ!
すでに四季賞受賞作で確信していたその物語性と演出力に驚く。
豊田徹也は心の底流に潜む、なにかの正体を求めるように静かに語る。
」――(谷口ジロー)


コメント
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
暫く営業を休んでいたが、改めて再開することにした。
組合から技師である堀を紹介され、彼の寡黙ながら真面目な仕事ぶりに助けられつつ、順調に銭湯は運営される。
しかしかなえには夫の失踪のほかに、ずっと心の奥に閉まっていた辛い過去があった。
本作で出てくる登場人物はみんな極端に口数が少ないけれど、内に各々想いを抱えながら生きている。
多くは語らずとも、登場人物のちょっとした心の動揺や変化が伝わってくる絶妙な描写。
結局のところ何も変わらないかもしれない。
でも、それぞれが前に踏み出せればいいなと思う。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
読んだあとはしばらくずんと心になにか残ります
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
著者の作品は初めて読んだけれど、回想や風景の差し込み方は映画的であり、細やかに演出されたリズムに乗って物語に没頭することができた。
大切なものの喪失=不在が、アンダーカレントの姿を明らかにする。
痛いほど分かる。
再会の場面で語られた悟の言葉は、かなえの苦悩や不安と比べると掴みどころがなく呆気ない。
現実もそのようなものかしれない…だからこそ、完璧に理解することは難しくても、相手を分かりたいというその気持ちが尊いのかもしれない。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
あなたのご主人悟さんのパーソナリティーみたいなものがさ。
人当たりがいい、面倒見がいい、責任感がある。
そんなのはその人がその人たりえてるモノとはなんの関係もないですよ。
」
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
Yに借りた。
銭湯を営む主人公の女性と、その周りの人々の物語。
ときどきはさまれる怖い記憶も、最後には明かされる。
バッドエンドでなくてよかった。
さらっと読めてじんわり良い作品だった。